大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第二小法廷 昭和34年(あ)193号 決定

主文

本件各上告を棄却する。

当審における訴訟費用は被告人らの負担とする。

理由

弁護人松井元一の上告趣意は、事実誤認の主張をいでないものであって、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。(なお、被告人において関税未納の貨物であることを認識しながら、関税を納付しないでこれを輸入する意思がある以上、関税納付の告知を受けたことの認識がなくても、関税法一一〇条一項二号違反の罪が成立するものと解するのを相当とし、原判決挙示の証拠によると、被告人杉野は原判示第二の(二)の事実につき関税未納の貨物であることの認識を有していたことを十分認めることができる。)また記録を調べても同四一一条を適用すべきものとは認められない。

よって同四一四条、三八六条一項三号、一八一条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり決定する。

(裁判長裁判官 小谷勝重 裁判官 藤田八郎 裁判官 池田克 裁判官 河村大助 裁判官 奥野健一)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例